#8経営戦略を考えるとはなんだろう?どのように進めていくの?

 みなさん、こんにちは。最近朝早く起きて勉強することにしています。夜仕事終わって勉強するのって疲れて集中できないことに気がつきました。

20代のころは全然余裕でできたのに、30代超えてからしっかり睡眠を取らないと次の日にすごく疲れが残ってしまうことに気がつきました。

20代でしかできないこと、30代でしかできないことを考えながら、自分って何がしたいんだろう、自分って何者なんだろうっていうのを模索していこうと思います。☺️

さて、今回は前回に引き続き、全体像を大まかに振り返ったあと、自分の思いをどのように形にしていくかを考えていこうと思います。やや愚痴っぽいところもありますが、ご容赦ください。

授業でもよく言われるのですが、経営に「これが確実」っていう方法はありません。それは医学でも同じです。あくまで成功確率を高めるだけであって、100%成功する方法などこの世に存在しないのです。

世の中には「MBA不要論」がはびこっています。私はMBAを取りに大学院に行ったわけではありません。少しでも成功できる確率をあげるため、少しでも失敗しない確率を上げるために、体系だった学びを得るために通学しているのです。正直、卒業とか学位とか興味ないです。(でもせっかくだったら学位はほしい笑)

大学院の先生が話されていたのは「MBAは社会のルールを教えるところ。ルールを知ってプレイしているのと、闇雲に手を出して、トライ&エラーして感覚や経験だけでプレイしているのでは成長速度は当然違うよね。赤ちゃんと大人くらい。」ということ。

野球もサッカーもルールを知っているから試合になるわけです。ルールを知らないと試合にすらならない。ルールは基本です。基本を知らなければ応用なんぞできません。今回も基本に忠実にまとめていこうと思います。前回の記事も参考になると思いますので、一度目を通してみてください。では行きましょう!

目次

①経営理念と経営戦略の関係

経営理念とビジョンは経営者の意思や従業員の夢、企業の方向性などを表しているが、理想と現実は異なるものである。どこの企業も必ず”ギャップ”は存在する。経営者は理想ばかり追いかけてはいけないし、それを従業員に無茶振りしてはいけない。逆に従業員は現実をみて目先のことを追いかけてはいけないし、経営者を非難すべきものでもない。

歯科医院でよくみる光景のひとつとして、「院長、またむちゃくちゃなこといってるよ」「この前勉強してきたからやってみたいんだろうね」「覚えるのめんどくさいし、とりあえず触れずに置いておこう」みたいな会話がある。

一般企業でもあるかもしれないが、この光景が常態化するとマズイ。

経営戦略とは、経営理念やビジョンと現実のギャップを埋めるために存在するものである。無茶ぶりを現実的に捉え、社会的にマッチしているかどうかを検証するためにとても重要である。

経営戦略は、通常全社的な視点(全社戦略)、個別事業の視点(事業戦略)、機能別の視点(機能戦略)という3つのレベルで考えるべきである。

それぞれ検討すべき内容や役割は異なるが、いずれの戦略でも、経営理念やビジョンに一貫性のあるものでなければいけない。一見、突拍子もないアイデアに見えるものも、よくよく考えればビジョンと一致しているよね。ということもあるかもしれない。

最近、歯科医院セミナーで、人事評価制度やマニュアル作成、採用基準策定など、人材教育系のものが増えてきた気がする。これは非常にいいことだと思う。なぜなら、日本の一部の医療機関はいまだに根性論などの精神論で語られることが多く、「目でみて盗め」「考えたらわかるだろう」「学生時代何をしてきたんだ」などの言葉がまかり通っている。

なんて前時代的なんだ。令和の時代にもなって。

とどのつまり、人を教えるつもりなんてさらさらないのだ。

しかしながら、取ってつけたような人事評価やマニュアルはまず継続しない。その理由は明白で、経営理念やビジョンが定まっておらず、全社戦略も定まらないまま、機能別戦略を検討したところで答えは出ないからだ。

企業主催のセミナーを受ける前に、今一度、自分はなぜ仕事をしているのか、どのようは方向性に行きたいのかを明確にしてほしい。

②経営戦略をどう考えるか

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。

経営戦略の重要性は過去より学ぶ必要性があります。経営戦略という考えの発祥はいまから約100年前、産業革命まで遡ります。今から100年前を生きたフレデリックテイラー(Frederick Taylar 1856~1915)が考えた科学的管理法という方法を考え抜き、劇的な生産性向上を成し遂げたそうです。テイラーは当時の工場が管理者の力が強いため、現場作業員らは働くだけ無駄という組織的怠業が蔓延していることに疑問を抱いていました。改善しようものの、「頑張るものは迷惑」と、そんな雰囲気さえ漂っていたそうです。このままでは誰も幸せになることはできないと、現状をよくしようと数々の工夫を続けました。そして、テイラーはさまざまな実験や検証を現場の生産性向上のために行います。ストップウォッチを使って作業の時間分析を行なったり、メジャーを使って移動距離を調べたり。それまでの「目分量方式(rule of thumb method)」による割り振りでなく、ちゃんと計算し作業配分を行いました。結果、作業時間の問題ではなく、作業効率の問題と判断し、シャベルを数種類準備すれば解決できると導いたのです。そして、作業者一人当たりの作業トン数は3.7倍に増え、同時に作業者の受け取る1日の平均賃金は63%も増えました。全体としてのコストは半分以下となったのです。テイラーは労使ともに大きな得をしたのでした。

 テイラーの効率性、生産性向上という発見は経営にとても大きな影響を与えました。しかし、ここから経営側は暴走し始めます。テイラーの科学的管理法を、ひたすら生産性向上の道具だけに使用し、その成果を労働者に分け与えることをしなかったのです。当然、労働者は働かされるばかりで以前と変化しないため反発します。これが「労働組合」の発足に繋がります。そして週5日8時間労働と言う概念が生まれます。「科学的管理法の導入拒否」という時代の大きな流れが始まるのです。

 経営戦略を考える上で、大切なのはやはり効率性、生産性です。しかし1911年に考えられた方法と同じように考えていくと、従業員の反発をくらいます。ハーバードビジネスレビューの「経営戦略をどのようにデザインするか。How to Design a Strategic Planning System:by Peter Lorange and Richard F. VancilFrom the September 1976 Issue」という論文に、戦略を考える上で六つの項目を考えなさいとあります。

・Communication of corporate performance goal
⇨企業業績目標のコミュニケーション
・The goal-setting process
⇨目標設定のプロセス
・Environmental scanning
⇨自社の内部環境、外部環境の把握
・Subordinate manager’s focus
⇨専属マネージャーの視点
・The corporate planner’s role
⇨コーポレート・プランナーの役割
・The linkage of planning and budgeting
⇨計画と予算のつながり

今、まさに大学院で教えてもらっている内容ですね。「ヒト」「モノ」「カネ」をバランスよく感がていくことが非常に重要です。医学と同様、先人たちがどのように経営戦略を考えてきたかを学ぶことは大切だと思います。

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。」大事なことなんで2回言ってみた

③フレームワークの重要性

先人たちが考えに考え抜いた結果、意見の抜け漏れなく、俯瞰的に、かつ客観的に見ることができるツール。それがフレームワークです。

フレームワークというと難しく聞こえますが、実は世の中に溢れかえっています。

心・技・体

5W1H(who,what,which,where,why,how)

など、私たちが幼い時から触れているものも、フレームワークの一種です。

医療業界にもフレームワークで溢れかえっています。

〜の分類、〜の法則、〜のガイドラインなどが代表的なところですね。このフレームワークにあてはめて物事を考えていくと、知識レベルによって多少の差はありますが、大まかにわけることができます。

当然、経営学でもフレームワークで溢れかえっています。

上記したように、自社を取り巻く外部環境と内部環境を把握することはとても重要です。どのように把握し、どこから手をつけるかということをいかにして時短かつ、手軽に行うかも極めて重要です。のんびり把握している間に時間がすごく過ぎていきますし、タイミングを間違えるとせっかくのチャンスが台無しになるからです。

歯科医院における経営戦略も全く同じです。10数年前までは、どこで開業しても成功する、何もしなくても患者さんはあつまる、歯科医師は技術を磨いてさえいれば大丈夫などと言われていました。歯科医師の教育もそれに準じて行われ、ある大学では、「歯科医師は正直者で技術研鑽することこそが重要である」という教育をされているそうです。大学に残り、研究者としていきていくのであればいいかもしれません。しかし、歯科医院を経営していく上で、技術だけでいきていける時代はとうの昔に終了したのです。

開業するとなれば、立地の選定、医院デザイン、患者集客、HP作成、医院ブランディング、資金調達、スタッフ教育など、歯科医業以外のすべきことがたくさんでてきます。勤務医時代はそれらをすべて気にせず診療だけすればいいのです。それらを知らずに開業し、思っていたのと違ったと言うのです。これは歯科医院だけではなく、美容師や理容師、技工士などの技術職全般に言えることです。

私は経営学を勉強する人間として、経営と歯科医療の本当の意味での両立を行いたいと考えています。

この記事を読んでいただいている方の参考になるように、経営学で代表的なフレームワークを紹介します。これは明日にでも使えるフレームワークなので、ぜひとも、いまおかれている状況にあてはめて考えていただけると幸いです。なお、外部環境分析と内部環境分析の詳細は別記事で書く予定です。今回は簡単に紹介します。歯科医院開業前に自分の状況を整理できるので、おすすめです!

▶️3C分析

市場/顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の頭文字を取ったものです。市場分析と競合分析が外部環境に、自社分析が内部環境に相当します。

市場分析:自社の製品やサービスを購買する意思や能力のある潜在顧客を把握していきます。具体的には、市場規模(潜在顧客数、地域構成など)や、成長性、ニーズ、購買決定プロセス(購買要因、情報収集力、検討期間の長さ、購買行動の特徴など)、購買決定者(意思決定者は誰か、「DMUDecision Making Unit」購買に対してだれの意見を聞くか)といった観点で整理していきます。

競合分析:競争状況や競争相手について把握していきます。とくに、競争相手からいかに市場を奪うか(守るか)という視点を持ちながら、寡占度(競争相手の数)、参入障壁、競争相手の戦略、経営資源や構造上の強みと弱み(スタッフ数や生産能力など)、競争相手のパフォーマンス(売上高、市場シェア、利益、顧客数など)に着目していきます。競争相手との比較は、自社の相対的な強みや弱みの抽出にも役立ちます。

自社分析:ここの把握が非常に重要です。歯科医院の特性上、事業規模が極めて小さく、院長の意思決定で簡単に組織が動きます。しかし、自分の医院の状況と周りの医院の状況がかけ離れ過ぎていると顧客離れを引き起こす原因にもなりかねません。「よそはよそ、うちはうち」という言葉で片付けているのもよく耳にしますが、外部環境の変化に合わせていくことも重要です。自社の把握は、自社の経営資源や企業活動について定量的、定性的に評価するところから始めます。具体的には、売上高、市場シェア、収益性、ブランドイメージ、技術力、組織スキル、人的資源などを把握します。また自社の付加価値を生み出す機能や、コストドライバー(コスト変動要素)なども把握するとなおいいでしょう。

▶️SWOT分析

 外部環境を分析する目的は、市場における機会(Oppotunity)を探し、自社にとって脅威(Threat)を見つけることです。また内部環境分析では、自社の強み(Strength)や弱み(Weakness)を把握することが重要です。この4つの要素を組み合わせたものがSWOT分析です。環境分析の最終目標は自社にとってチャンスを発見することですが、SWOTを整理することにより、成功要因(KSF:Key Sucsess Facter)を見つけることや、自社にとって事業機会を導きやすくなります。

まだまだフレームワークはたくさんあります。しかし、分析をするのはいいですが、やりすぎもまた禁物です。やればやるほど時間がかかりますし、混乱していきます。自分の中でテンプレートを作り、その手順で行なっていけるといいでしょう。

きょうはこの辺で終わろうと思います。結局5000字を超える大作になってしまった。。

ではまた次回!ありがとうございました!

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